舞台マスカレードミラージュ 観劇感想

10/7ソワレ、8マチネでマスカレードミラージュ見て来ました。

めっちゃ良かった〜てなったので感想を書いてます。

まず想像以上に王道エンタメ意識した造りに驚きました。あらすじやオリキャラの紹介文を読んだ時はもっとダークシリアスで耽美な方向性の話なのかなぁと勝手に想像していたのですが、観劇して見れば「友情・努力・勝利」が入った少年漫画か?と思うほど分かりやすく見応えのある中身でした。
個人的に終盤のジルコニア卿が乗り込んでくる所でめちゃくちゃ興奮します。熱く苦しんで溜めて溜めてからの「ここから巻き返すはずだ!」という期待を裏切らない話の流れは見ていて気持ち良いですね。こういうストレートなの好きです。
錬金術」や「オートマター」などの単語がが出てきた時はちょっとびっくりしましたけど。元のドラマCDを聴いたのが随分前で覚えてないのですがそんな内容でしたっけ…?
レイジーと怪盗アインザッツの盗みに関する駆け引きがコミカルでとても良いんですよね。コナン映画でよくコナンVSキッドの話があるじゃないですか、あんな感じです(雑)でもたぶんあの2人のやり取り好きな人はマスミラのこれも好きだと思う。

物語としてはレイジー主役で相棒シーノ、話のメインはアインザッツ…という感じでしょうか。三人ともほぼ出ずっぱりなので偏りは感じない脚本になってましたけど、人間関係が基本レイジー周辺なのでそんな印象を受けます。レイジーがかつて救えなかったシーノと今度こそは救いたいアインザッツ。シーノを守りたいもう1人のシーノとレイジーや周りの人を守りたいシーノ。こういう対比好きです。(2回目)
レイジーに「信じてくれ」と言われて黙って眼鏡をかけられるもう1人のシーノと、「僕がレイジーを信じなかったことがありますか?」と笑って眼鏡を外されるシーノのシーンが良かったです。う、美しい。もう1人のシーノはレイジー自身のことを、何よりレイジーを信じるシーノのことを信じているのだなぁと思えてジーンとします。
ところでもう1人のシーノて書きづらいですね、彼に名前はあるのでしょうか。

三人出ずっぱりと書きましたがその中でも特に好きなそれぞれのキャラの所を少々。

まずはレイジー。クルクルよく動くので見てて楽しいです。殺陣の時衣装の後ろのヒラヒラがなびくのが可愛いです。個人的に段差を大抵ジャンプして飛び越えるところがツボです。ジルコニア卿をダンスに誘う所の流れが好きすぎてたまらない。お客さんも巻き込んで舞台を作るのが良いですよね。人の注目を集めるのが上手くて頭の回転が良く剣術も出来る…なんだ完璧か!?
スペンスにシーノの秘密を話した後の間が怖くて好きです。早くBDでアップで見たい。あとダンスのシーンを繰り返し再生したい。

続いてシーノ。みんなが揺れ動く中で(シーノがみんなを揺さぶってたとも言えるかも)1人シーノは安定していたので見ていて落ち着く気持ちになりました。「言ったでしょう?鍛えてるって」と終盤のレイジーを救うシーンが好きです。さっきもちょっと書きましたが守るべき対象だと思っていたシーノは逆に誰かを守れる存在にいつのまにかなっていたのだと気付かされる、良い場面です。
あとジルコニア卿のドレスが似合う…。仮面を剥ぐシーンで毎度オペラグラスを構えてしまいました。すごく綺麗です。

最後はアインザッツ。う、歌がうめぇ〜〜。もう本当に知能指数が低くて申し訳ない。「喉に白い羽根を生やして〜」の比喩表現がそういうの好きだけどハードル上げるなぁと思いながら見てたのですがハードルなんて軽く超えてました。あそっか、喉に白い羽根が生えてるんだもんそりゃ飛べるよね…(錯乱)
永遠に生きる孤独、自分は何者になれるのか、オートマターである彼が三人の中で一番己というものに悩み揺れ動き苦しんでいましたね。悲痛な声を上げるシーンが多いので、その分怪盗アインザッツとして生き生きとしている姿を見せる場面が映えて美しかったです。


ほさかさんはとても評判の良い脚本/演出家さんだとは聞いてましたけど、ほんと素敵でした!
個人的にジルコニア卿の部屋のシーンで鏡の前でキャラ達が立ちかわりで論じるところが好きです。誰もが仮面を被って生きている、というテーマの中で鏡に映し出された見たくのない自分と見つめ合う。「随分大きな小鳥だけどね」と吐き捨てるジルコニア卿が悲しいです。
あとたまに出る三人のイメージカラー色が混ざってあたる照明が良い意味で下品で好きです。機械人形達が踊るシーンもおどろおどろしくて釘付けになります。画が綺麗、てこういうことを言うんだなって思いました。ほさかさん早くマスミラ続編作って。

でも本当に今回アインザッツ中心のお話でしたがレイジーやシーノのメインで全然続編が作れる構成だよなと思いました。レイジーの妹とかシーノの二重人格とかでまだまだ話が続けられますよね。劇団シャイニングの再演でありながら初演の続編、という不思議な造りの作品でしたがこういうのもアリですよね。初演(原作)を知らなくても楽しめるし知ってたら隙間を埋められる、楽しい舞台でした。
ていうかサブキャラも全員キャラが立ってたのでジルコニア卿とジャスパーメインのスピンオフ作品とか普通に見たいです。読んでてお気づきかもしれないですが私だいぶジルコニア卿好きですね。トレブロ出なかったので悲しいです。


長くなったのでそろそろ締めようと思います。レビューについては「た、楽しい〜〜〜!!!」以外の感想が出て来ません。あれのおかげでホクホクした気持ちで劇場を出られます。CD出してください。太田さん歌がうめぇ。(2回目)
神戸オリエンタル劇場初めて行ったのですが雰囲気あって舞台を観に来た!という満足感が得られやすくて良い劇場ですね。見やすいし椅子もふかふかだし古めかしい造りがマスミラと合っていて素敵でした。また来たいです。


そろそろ大千秋楽のライビュが終わる時間でしょうか。私は帰りの飛行機を待ちながらこれを書いています。マチネを見終わってから5時間くらい経ちますが相変わらず私の心の中はマスミラ楽しかったな、という気持ちしかありません。
ライビュを見てその後たまたまこのブログを読んだ方が一つでも「分かる!」と思えるものがあれば嬉しいなと思います。






ジョカトラのチケット当たりてえ。